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妹は「南の島に連れてって」と、よく言っていた。妹が中学生になってから六年間、毎日言われ続け、いい加減諦めた俺は、高校を無事卒業したら連れてってやると、約束をした。その時の笑顔は今でも忘れない。
妹は、成績があまり良くはなかった。三年に上がる時もギリギリだった妹は、約束のために必死に勉強をしていた。俺が仕事で遅く帰宅した時も、妹の部屋の電気が消える事はなかった。
妹は、約束を果たした。
「私だってやればできるのよ。次は、お兄ちゃんの番だから」
俺は、約束通り妹を南の島に連れて行ってやることにした。
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