🌕月🌕

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「なぁんだ。そんなこと?」 そんなこと、と返した。 「そ…っな…ておま…っ…く……俺…のぉ…!」 「『そんなこと』、ですよ」 総司は言う。 優しく。 ひたすら優しく。 そして、 「…ごめんなさい。」 何故か謝ってきた。 「どっ…て、そじ……がぁ」 「そんなこと、言わせるつもりじゃなかった。ただちょっと、いたずらしたくなっただけですよ。」 そう言って俺に抱きついてきて、 「ただ…それだけなんです。」 と、微笑む。 「そ…じは……っく…や…じゃないの?」 「どうして?好きなひとに抱いてもらえるのに。愛してもらえるのに?………庵さんは……嫌…でした?」 急に自信の無さそうな声になり、問いかけてくる。 そんな総司が可愛くて、俺もつい微笑む。 「んーん。嫌じゃ…なかった。でも…恥ずかし…くって…////」 そう言うと、総司はまた笑う。 「それは、私もですよ。だから仕返ししたんですから!………でも…嫌では…ないんです。だって…」 真っ赤な俺に そっと口付けて、 真っ赤な俺の耳に そっと囁く。 「愛していますから」 満月に誘われるまま、 貴方に溺れる―――…。            終
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