-残業-

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時刻AM2時32分 「ふぅやっと終わった~」 とある会社で男が静まり返った社内に一人、デスクの前で延びをする。 「何で俺ばっかり残業なんだよ…ちっくそ上司が…何様だよ」 彼の名前は神田直己。 どこにでもいる普通のサラリーマンだ。 上司に仕事を押しつけられ一人寂しく残業をしていた。 まぁこんな事は社会では当たり前の事だ。 チッチッ シュボ タバコに火をつけ一服をする。 「あーもう3時じゃねーか…だっりーな…」 そう文句を言っていると突然、 ピピピピピピピピ… 静まり返った社内に鳴り響く。 その音に神田はビクッと肩を持ち上げタバコを落としそうになった。 「なっ、何だ?」 勿論、誰もいるはずのない社内、薄暗く…そして不気味に静まり返った社内をその音が駆け回る。 そして、神田は音を止めるべく椅子から腰を上げる。 ピピピピピピピピ… 段々と音が近付いてくる。 ふと神田は、ある机に目を向ける。 するとそこには、腕時計が一つ、積み重なった資料の上で音を発していた。
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