-身近の恐怖-

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オレは無意識に携帯を強く握り、電話張を開いていた。 call 松田 プルルルルル… 呼び出し音が積み重ねられて行く… (早よ出ろや…) 無理もない昨日飲んだ後、数時間しか経っていないんだから。 爆睡してる事だろう。 「は…ぃ、もしもし…」 如何にも、今起きましたと思わせる暗い声で松田が出た。 「おいっ寝てる場合ちゃうって!!栄江さんが…栄江さんがー…」 うまく言葉が出てこない。 「タケ、ちょー落ち着けって、どないしたん?」 松田の言葉にもオレは落ち着くどころか頭が余計に混乱したかのように続ける。 「栄江さんが昨日の帰り死んだんや!」 その言葉を聞いて、我に返ったのか、電話の向こうの松田の意識がしっかりした事がオレにも伝わってきた。
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