-身近の恐怖-

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寝癖だらけの髪をワサワサと掻きながら、武末の家まで車を走らせる道中、 (頼むから無事でおってくれよ…頼むから…) こんな事を心で繰り返していた。 車を平均時速80kmで、他の車を追い抜きを繰り返したので20分ぐらいに武末の家に着いた。 武末はバイト近くのアパートの最上階(4F)に住んでいる。 オレは見上げながら、 (頼むから何もなかってくれ…) 心でそう祈り続ける。 すると前から、 「タケー」 と自転車を立ち漕ぎしながら松田がすごいスピードでやって来た。 キキーキィィ とブレーキの音を発しながらオレの目の前に止まった。 「松田!おまえも来てくれたんか」 「当たり前やん!オレも心配やし」 と笑いかける松田。 そして、オレたちは武末の部屋まで掛け上がった。
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