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アパートは嫌に静まり返っていた。
武末の家の前まで来るとオレは口の前に人差し指を当て、
「しっ」
と松田を止める。
ピピピピピピピ…
武末の部屋から音が聞こえると同時に松田が口を開く。
「タケ!もしかして…」
オレは嫌な予感がしながらもドアを開けようとノブを回す。
ガチャガチャ
内側からカギが掛かっていてドアは開かなかった。
ドンドンドン!
「おぃ、武末起きろー!!」
「開けてくれー!!!」
と必死にドアを叩くも何ら変わりもなく、音だけが静かに耳に入ってくる。
オレは咄嗟に、
「松田、管理人や!鍵もーてこい」
オレがそう言うと松田は軽く頷き、階段を掛け降りていった。
オレの額から汗が流れてくる。
一分もしない内に松田が鍵を右手に階段を昇ってきた。
「おっ早いな」
オレはそう言うと鍵を受け取り、ノブに鍵を差し込みドアを開けた。
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