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「誰だよ…こんな時間に目覚ましなんかあわせやがって…いい迷惑だな」
そう言い神田が腕時計に手を伸ばした。
すると、不思議に音は消え、社内は静けさを取り戻す。
コツ…コツ…
と掛け時計が時を刻む音が社内に静かに流れる。
「はぁ?何だよこの時計壊れてんのか?」
そんな文句を口にし、神田は自分のデスクに戻った。
その時、神田はある事に気づいた。
(何だこの感じ…誰かに見られてる気が…)
そう心で呟くと神田は社内を見渡した。
しかし、誰もいるはずもなく何ら変わりの無い社内が目に写る。
「なわけないか、早く返って寝よ」
神田は誰もいない事を確認すると用意を始めた。
パソコンを閉じようとした時、
新着メール1件
と表示されているのが目に入った。
神田は何かと思いメールを開く。
内容を見て神田は背筋にゾッとするものを感じた。
件名 無題
今時計が鳴ってましたよね?今度は自分で止めて下さいね。
止めないと大変な事になりますよ?
神田は思わず
「誰かいるのか?いるんだろ出てこい!」
と社内を見渡すが相変わらず静まり返っており、神田の声が響いた。
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