-残業-

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恐怖を感じ神田は用意に手を早めた。 パソコンの電源を切り、鞄を手にもったその時だった。 ピピピピピピピピ… またあの音が社内に駆け回る。 神田はメールの忠告も忘れ、走って入り口に向かった。 すると、今まで静かに時を刻んでいた掛け時計からも ピッコーピッコー… 神田の頭に時計の音が木霊する。 (何だ…何がどうなってんだ…) と必死に走ってようやく入り口にたどり着き、引きドアを引くがビクともしない。 「何で開かないんだよっ」 神田は気が狂ったようにドアを揺さぶる… が、ビクともしない。 そんな神田の背後では、次から次に時計が鳴り出している。 (やばい、やばい、やばい) 時計の音が、段々と他の時計の音と重なり大きくなる。 (どうすればいいんだ…) (死にたくない…死にたくない…) 頭でその言葉を繰り返す。 とその時だった。
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