予兆

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橋本敦、岸崎玲奈は、いつも通り二人で帰ってる。 二人は付き合って一年ほどだ。 敦はとっさに話題を変えた。 「なぁ、玲奈、知ってる?」 「んっ?何が?」 「俺たちの高校って、昔、廃墟だったらしいよ」 「そーなん、知らんわ、、、」 「そんでさ、タケからきいたんだけど、昨日夜中に学校の運動場の真ん中でさ、」 「えっ、」 「誰かが三人くらいで輪になって何かしゃべってたって」 「怖っ どうせ、嘘でしょ。」 確かに考えてみると怖い話だ。 ただこればっかりは、タケこと武田悠斗がほんとに言っていた事だから、仕方ない。 「ほんとだって!」 あとちょっとで、玲奈の家だ。 そろそろ、バイバイか、 「じゃ、またねっ」 「おぅ、またな!」 最近梅雨も過ぎ、半袖でも暑さを感じるような気候が足音を立ててやって来る。 なんと、明日から夏休みだ。 敦は残りの道のりを、頭の中で夏休みの計画をたてながら、帰った。 空は、さっきよりも雲が広がり、中途半端な丸みをした月も、隠れてしまっていた。
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