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私が黙っていると男は不安になったのか、オドオドした様子で訪ねてきた。
『あれ?……もしかして人違いてしたか?』
「そのもしかしてさ。私は八雲藍と言う者だ。」
『あわわ、すみません!急にあんなはやし立ててしまって……』
「いや、大丈夫だ。ところで君は幻想郷がどうこう言っていたようだが、幻想郷の者かい?」
少しかまをかけてみることにした。
『え?違いますよ。私は生粋の日本人です。』
日本人……。
「というと、君の住んでいるところは日本と言うのか?」
『えぇ…そうですけど。そういうあなたはもしかして幻想郷の方ですか?』
「その通り。私は幻想郷の住民。」
『うわ!幻想郷は本当にあったんだ………!』
「君は素直だな…。普通ならこんな話し信じないぞ?」
『いや、だって目の前に見たこともない穴があってしかもちゃんと確認した番号なのに別の人にかかるなんて。そりゃ信じますよ。』
なかなかに頭がまわる者のようだ。しかし、1つ疑問がある。
「そういえば、君はなぜこの幻想郷の存在を知っているんだ?」
『ああ、それはですね。私たちのサークル、もとい集まりで世の中の不可思議なことを研究するというテーマがありまして。担当になった教授が以前に幻想郷に行ったことがあると言っていたもので少し話しを聞いたのです。』
「…なるほど。」
『さっきまではただの絵空事かと思っていたのですが変わりました。幻想郷はあると!』
「それは良かった。」
なかなか良い雰囲気に持っていけてるなと少し安心した。
これでいきなり切られるという事態にはならないだろう。
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