夏日

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清田は三ヶ月前に交通事故で命を落とした。 カーブを曲がりきれずガードレールの切れ目から転落したのだ。 「何か問題でも? まあ、いいです。僕で解ることなら。何でしょう?」 『あの……兄の遺品の事で高村さんに見て頂きたい物があるんです。時間を割いて頂けますか? いえ、今日という事ではなくて、ご都合の良い日でいいんです』 そう言われると気になるものだ。 彼女の声が魅力的だったせいもある。 「今日でも、いいですよ。18時過ぎなら」 僕は安請け合いをしてしまった。
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