双子

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「もー!郁也!?まさか、またお姉ちゃんと間違えたとか言わないよねぇ!?」 あたしが怒っても、こんな顔になるのかな。 自分の怒り顔って、滅多に見られるものじゃないから貴重だと思う。 だって、普通、鏡の前で怒らないし。 「悪かったって。背格好超似てんだよ」 「はー!?何回目!?あたしとお姉ちゃんの、どこがそんなに似てんの!」 「わっ!?」 菜花が、あたしの手を引いて、ふたり同時に背中を郁也くんに見せた。 「ほらぁ!分かるでしょ!どっちがあたしか!」 今日のあたしの髪型は、背中の真ん中くらいまである髪の毛をゆるく巻いている。 菜花も、同じ。 髪型は、毎朝ふたりでお互いに作りあっているから。
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