5599人が本棚に入れています
本棚に追加
「もー!郁也!?まさか、またお姉ちゃんと間違えたとか言わないよねぇ!?」
あたしが怒っても、こんな顔になるのかな。
自分の怒り顔って、滅多に見られるものじゃないから貴重だと思う。
だって、普通、鏡の前で怒らないし。
「悪かったって。背格好超似てんだよ」
「はー!?何回目!?あたしとお姉ちゃんの、どこがそんなに似てんの!」
「わっ!?」
菜花が、あたしの手を引いて、ふたり同時に背中を郁也くんに見せた。
「ほらぁ!分かるでしょ!どっちがあたしか!」
今日のあたしの髪型は、背中の真ん中くらいまである髪の毛をゆるく巻いている。
菜花も、同じ。
髪型は、毎朝ふたりでお互いに作りあっているから。
最初のコメントを投稿しよう!