姉と妹

18/22
前へ
/98ページ
次へ
くしで髪をとかしながら、ドライヤーの風を当てていく。 明日は、またふたりで髪型を作り合って学校に行けるね。 久しぶりだから、何を話したらいいのか分からない。 ドライヤーの音で聞こえにくいし、ちょうどいいけど。 菜花のスウェットのポケットから、何かがごとんと音を立てて落ちた。 ケータイ? あたしの部屋に来るだけなのに、ケータイ持ってきたのかな。 「菜花、落ちたよ」 ドライヤーのスイッチを一旦切って、ケータイを渡す。 「…………」 菜花は無言で受け取って、何度か操作して、あたしの手に乗せた。 「え?何で?」 「電話だよ」 「んん?」 鳴ったっけ? そもそも、「電話だよ」って、これ菜花のなんだから、菜花に電話でしょ?
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5599人が本棚に入れています
本棚に追加