姉と妹

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よく理解しないまま、耳を当てると、 プルルルル、プルルルル。 コール音。 ってことは、着信じゃなくて、菜花から電話をかけている。 「ねぇ、菜花、誰に――」 どういうことかと聞こうとしたら、 「もしもし、菜花?あの――」 「!!」 相手側が出て、その声の主にびっくりして、思わず電話を切ってしまった。 「な、菜花!!」 「うわ、お姉ちゃん信じらんない。切ったの?」 「菜花!こ、これ……!」 ケータイを指差し、口をぱくぱく。 機械ごしだって分かる。 この声は――。 リダイヤルをチェックする。 最新の名前は“遠藤郁也”。
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