姉と妹

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やっぱり、相手は郁也くん。 「せっかくあたしが勇気を出して電話したんだからさ、無駄にしないでよ」 菜花は唇をとがらせて、抗議。 「どうして?なんで郁也くんに……」 あたしに、郁也くんとどんな話をさせたいのだろう。 「嫌なんじゃないの?」 「むー、嫌に決まってんじゃん!嫌だけど!」 菜花は頬を膨らませ、あたしからケータイを奪った。 元々は菜花のものだけれど。 「嫌だけど……っ、すっごい嫌だけど、しょうがないじゃん。郁也はあたしを好きじゃないし、あたしだってお姉ちゃんの方が好きだし!」 「あ、あたしだって菜花のほうが好きだよ!」 「もういいの!何でいつも我慢ばっかりしてんの!?」 そう言う菜花だって、我慢してる顔で泣き始めた。
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