3423人が本棚に入れています
本棚に追加
/424ページ
アルフをつれて帰ってきたのはいいけど今すぐにメニュー作りは出来なさそう…。
戦闘ギルドのマスターの気持ちはわかることはわかる。
多分、私がマスターの立場だったら必死になるだろうし。
殺せないのもただの私の我が儘。
世界が変われば常識も変わるし、それに従わなければならない。
郷に入っては郷に従えって諺も日本にあるじゃない。
けど、やっぱり命を奪うなんて出来ない。
虫なんかは殺してたけどね。
動物の命も虫の命も変わらないはずなのに何でだろ。
自分で自分がわからない。
「アヤ姉?」
「どうしたの?」
余程深刻そうな顔をしていたからかアルフが声をかけてきた。
アルフは守らなきゃ、今の私にはそれしか出来ないんだから。
「アヤ姉は怖いの?」
「うん、怖いの。 私、今まで平和な所で暮らしてたんだ。 たまに喧嘩したりとかはあったけど殺すとか身近にはなかった。 まあ、生きる為に動物殺して食べたり殺人犯とかは居たけど、私はお肉として売られてるのしか見なかったりニュースで殺人を知ったりぐらいしかなかったから」
アルフをぎゅっと抱き締めながら今までの平和な日本を思い出し呟く。
日本の事なんてこの世界で生まれたアルフにはわからないのに。
お肉も好きだし魚も好き。
けど、私が見るのは死んでるのだけ。
まあ、仕事してる時に生きてるタコやエビをパック詰めしたりしてたけど。
最初のコメントを投稿しよう!