最弱の偏見

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と、ここで声をあげたのは今までカードの中で前転したり広さを確認していた凉雪。 『えとね!すぅ見たよ!えーとの顔ににぶにょぶにょがはりついてたの!』 「見ていないから確証はないが恐らく君の中に蓄積された毒素を吸い出してくれたんだろうね。」 じゃあこのスライムは俺の命の恩人ってことか。 「ありがとな。」 俺がカードの中のスライムに礼を言うと、スライムは返事をするかのように一度飛び跳ねた。 「結果はどうであれ課題は果たしたわけだしね、次は追装(クロス)だけど……まぁそれは授業でもやるだろうからね、今日はこれでおしまいだ。」 「分かりました。」 俺は凉雪他二枚のカードをケースに入れて理事長室を後にした。 「大災害の欠片……か、全く瑛斗君は僕の予想のはるかに上を行くようだね。」 「しかも術式を一発成功だ、徒画でもときどき失敗するのにな。」 「あはは……。」 意地の悪そうな笑みを浮かべたツァーラに苦笑するしかない徒画だった。
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