リトル・エヴォルト！

返事がない、ただの卵のようだ。

四枚目、

これが一番奇妙なカードだった。
絵は描かれていないが、名前だけが書かれているのだ。
書いてある文は、

「【Card†Maker】？」

これだけは他のカードと違い背景も真っ白だった。

「こんなカードゲームに心当たりはないし……。」

自慢じゃないが今世に出てるカードゲームは大体制覇している俺の目を以てしてもこんなカードゲームは初めて見るものだった。

「ん？」

卵を退けてみて初めて気づいたのだが、段ボール箱の底に油性ペンで殴り書きがされていた。
読んでみると、

「頑張れよ、お前の選択した道を迷わず進め……？」

そう、書かれていた。
しかも差出人不明。

………考えれば考えるほど分からない。

「あ、やっべ!!」

気付けば時間は既に八時を過ぎていた。

即ち、

「遅刻の可能性が濃厚に……!?」

卵は果てしなく気になったが四枚のカードだけをポケットに突っ込んで急ぎ自分が通う高校、【私立瀬禅高校(わたくしりつらいぜんこうこう)】へと向かったのだった。

「間に………合っ、たぁ……。」