919人が本棚に入れています
本棚に追加
「那韻、狙うのは目だ。
一回の攻撃で両方潰すぞ。」
「キュー!!」
那韻は一声叫ぶと、口から炎を迸らせながら飛翔した。
「那韻!!しっかり加速しておけよ!!」
那韻が加速してくるまで……
「ぐっ!!」
振り下ろされた鰐亀の前足を避ける。
俺はこの鰐亀から逃げ続けないといけない。
「ごほっ!!」
あー、そろそろヤバイな……
「まぁでも……それが諦める理由にはならない!」
背中のぐったりした凉雪を背負い直して再び走り出す。
「げほがは!!」
再び吐血。
すでに真っ直ぐ走れないが、止まってるよりはマシだ。
「キュキュー!!」
はるか上空から那韻の声が聞こえる。
「行けぇ!那韻!!」
「キュキュキュキュ…………キュー!!」
上空から炎を口から出す那韻が急降下突撃する。
そして、
「オ゛ォ゛オ゛ゴァ゛ァ!?」
鰐亀の『左目』を牙で切り裂いた
「ヤベェ……。」
本来なら両目を潰すはずだったのに……
「キュキュー……。」
那韻がこちらに力なく飛んでくる。
生後間もないんだ、無理もない。
「万事休す……か。」
最初のコメントを投稿しよう!