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地球からはるか彼方、千300光年の辺境宇宙でそれは突然おこった。
「艦長、亜空間ソナーにエコーあり。何者かがドライブアウトしてきます」
地球艦隊所属、戦艦レンビヤルのブリッジで観測オペレーターが驚きの声をあげた。それは、信じられないタイミングの出来事であった。
「どういうことだ、ガウラン人の船はいま帰ったばかりだぞ」
艦長がブリッジ前方の戦略観測ブースに声をかける。
「エコー増大、第四像現に次元震!ものすごい速さで亜空間を浮上してきます!」
「距離を探査しろ。オペレーター、亜空間通信を開いて警告を行え」
「近すぎて震源が特定できません!エコー最大!」
「なんだと、質量衝突するつもりか!全艦発令―」
「きました、初期閃光確認!目の前です!」
収束する光の粒子が爆発すると、そこには見たことのない宇宙船が現れていた。立体十字の船体はまるで巨大な十字架であり、主船殻から伸びる4つの構造物にはそれぞれ円筒系の装置が装備されている。
400mの巨体を誇るレンビヤルさえ圧倒するその異様は、星間連合のいかなる記録にもないものだった。
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