紅い鬼

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「薄気味悪い。」 「鬼の子が。」   いくつもの悪意のこもった声が、罵倒が、嘲笑が、少年に突き刺さる。 広い広い邸の中に、少年の居場所は何処にも無かった。 真っ暗な場面が変わり、景色はどこかの街の通学路。 先ほどよりも少し成長し、ランドセルを背負った少年が道を歩いている。 その少年を同い年くらいの子どもが取り囲むようにして、石や小枝をぶつけ始める。 ぶつけられた箇所が土に汚れ、薄く血が滲むが、子どもたちはそんな事にはかまわずに、一人の少年への一方的な攻撃は続く。
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