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「寄んなよ化け物。」
「気持ち悪い!!」
「学校来るな!」
「お母さんが、こいつ変だから近付くなって。」
「何でそんな髪の色なんだよ!!」
頭に石が当たらないように腕で庇いながら、その場から一生懸命に走り去る。
面倒を見てもらっている家に帰れば、
「なあにその格好!!
また近所の人に変な目で見られるじゃないの!!」
眦をつり上げた女性の怒鳴り声が響く。
ごめんなさいと、小さく震える声で謝っても女性の怒りは衰えない。
少年の手足についたたくさんの傷など見向きもせずに。
「ちょっとあなた、どうしてあんな子をうちが面倒見なきゃいけないの。」
「しょうがないだろう。
一応、頼まれて預かってる子なんだから。」
「あの子時々何もないところに向かって喋ってるのよ。気味悪いわ。」
「あぁ、世間的には知られていないが、そういう家系の子だからな。
ま、あと少しすればまた違う家に押しつければいいだろう。
あの家の親戚なんて、ごまんとあるんだから。」
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