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夜中に交わされた会話を、部屋の外でそっと聞いている少年の目はなにも写していなかった。
僕の目と髪は、どうして他の人と同じじゃないんだろう。
僕にはどうして他の人には見えないモノが見えるんだろう。
僕は…。
少し離れた空間で、俺がその様子を見ていると、目の前にいる少年がゆっくりとこちらを向く。
無表情ながらもどこか悲しげな視線が俺の目を捉える。
何かを諦めてしまっているような覇気のない瞳。
他人に何かを期待なんてしない。
他人に何も求めない。
自分に降りかかるモノをただ、受け入れるだけ。
まるで人形のようなこの少年は…俺だ。
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