6人が本棚に入れています
本棚に追加
はっと目を覚ませば、そこは彼の通う高校の教室だった。
「あー…、嫌な夢見ちまった。」
それは彼の幼い日の記憶。
少し長めの黒い髪を掻き上げながら忌々しげに呟く彼の名前は皇 志貴(スメラギ シキ)という。
「…ってうお!?」
目の前の窓から黒い影のようなモノが自分に向かって手を伸ばしているのを見て思わず後ずさる。
「どうしたー?皇。」
志貴が音を立てていすを引いたことにびっくりしたのか、クラスメイトの二人が寄ってくる。
「え?ああ悪い。ちょっと寝ぼけてただけだ。」
さらりと笑いながら誤魔化す。
志貴が今見たモノはこの二人、いや常人には視ることができないのだから。
最初のコメントを投稿しよう!