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「ん?あぁ、まあそんなとこかな。」
無難に笑いながら相槌を打ちながらそっと窓の外に目を向ける。
(うわ、まだいやがる。…しゃーねぇか。)
志貴は小さくため息をついて席を立った。
「ん?どうした皇?」
「眠気が限界だからちょっと寝てくるよ。」
「はぁー?またかよ。」
一時間したら帰ってくるからと二人に告げると足早に志貴は教室を後にした。
「あいつさぁ、ちょくちょくこうやって授業サボるよな。
そういうタイプには見えないんだけど。」
志貴が出て行った方向を見つめながら八代が呟く。
この狭い田舎町の中、移り住んできた人間についての噂は否応なく耳に入る。
彼自身も、志貴の複雑な家庭環境などについてぼんやりとだが耳にしていた。
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