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あの会話から二日後。
すでに日は暮れはじめ、達は火瓦に言われた通り、大学前でリュックを背負って待っていた。
「おいおい、もう5時半だぞ。あいつどんだけ遅れてくるんだ。」
腕時計はしっかりと5時半を指していた。
しかし、今回の企画者がまだ現れない。
そろそろ立っているのが疲れてきた、と思いはじめた頃長い影を作りながら火瓦が歩いてきた。
背中には自分のそれよりも2倍はあるんじゃないかと思えるくらい大きなリュック、何故かスコップまで持ってきている。
そして、カメラを首に提げ右手には銀色に光るフォークが握られていた。
「・・・。」
呆れた、最初に思ったのはそんな言葉だった。
「よぉ!早いな達!」
火瓦は笑顔でフォークを持っていない左手を上げて挨拶をしてきた。
「はは・・・帰りてぇ・・・」
心の奥底から出た言葉である。
「何を言う!さぁ、行くぞ!狼男など、このハンター火瓦が即発見してくれるわ!!」
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