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10分くらい歩いて着いた。
裏山はすでに気味悪い暗さが漂っていた。
「ふぅ・・・なかなか雰囲気があるね」
「そうだなー」
早く帰りたいとしか思っていない達はただ火瓦に着いて行くだけ。
だから、何を言われても上の空な達に火瓦はため息をついた。
「まぁ、いい」
と、その時。
ガサガサという草を掻き分ける音に加え、大きな黒い影がチラリと見えた。
「おい!達!見たか!?」
それを目撃した・・・いや、してしまった火瓦は大興奮で達の肩を叩いた。
「あ?何が?」
しかし、そんなもの見ている訳ない達はまるで寝ぼけているかのような様子だ。
「狼男だ!行くぞ!!」
と、言うと火瓦は音と影のあった方向へと草を掻き分けて行った。
「お、おい!どこ行くんだよ!」
火瓦の姿は暗闇の中にすぐに消えていったため、達は火瓦が入って行った草むらへと入るしかなかった。
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