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「ママは若い頃、重い病気だったの。
お医者さんからも助からないって言われてたのよ。
だからママも、大人になるまでは生きられないってあきらめていたの。
でもね、それを聞いたパパが、あの優しいパパがスッゴく恐い顔でこう言ったの。
『あきらめるな! 俺が助けてやる!』って。
そしてね、あの河原で約束したの。
毎年ここで永吉のお誕生会をやろうって。」
「パパは今でも約束を守ってるんだね!」
「そうね。」
「パパがハーレーをスゴく大事にしてるの知ってるでしょ?」
「うん。」
「でもね、ママがアメリカで手術して生死の境をさまよっているのを知ったパパは、あのハーレーを売ってママの所へ飛んで来てくれたの。」
「えぇっ!? 誰に売っちゃったの?」
「うふふ。パパの店で働いてるシゲちゃんよ。」
「えっ!? シゲちゃん?
でも今はまたパパのハーレーだよね?」
「うん。話はまだ続きがあってね。
聞きたい?」
「うん。聞かせて!」
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