脇役の日常

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ふわふわとした感覚、浮いてはいないが不思議と重力で地面とくっついている感覚じゃない。簡単に言えば風が下から吹いてきているように、ブワリと、一瞬だけど浮いた感じがするあの感覚。 それだけじゃない。天井は目に写る範囲が全て白だ。それも汚れとか一切許さない新品さ。 「ん……」 ゆっくりと上半身を起こす。 それで分かったのは、この空間は無限に続く広さと白さが有ること。 「なんだよこれは……、狂ってる……」 「狂ってないわ、正常よ?真っ白が続くだけで狂うって思う方がどうかしてるわよ」 上半身を声が聞こえてきた方に向ける。当然上半身全てが着いてこれはしないが、顔は向けることが出来た。 透き通った白いワンピース。金髪というよりかは、ブロンドと言いたくなる品のある金色の髪。顔はまだ10代の可愛らしさが抜けない少女顔。目はパッチリしていて、鼻は高くはない。スッとしている。口はプルっとしていて、エラはなくスッキリしている。 「あら?エロイ顔で見ないでくれる?」 「エロ……っ?」 品のあるのは金髪だけだと確信した。中身最悪だよコイツ。 「ほら、立ちなさい。私は立っているのに貴方は座るの?」 立っていると言っている彼女だが、彼女は空気椅子というか、見えないなにかに座っているみたいだ。 仕方ない。面倒だから立つしかない。 「あと、次いでにそこの伸びてるイケメンも起こして、フツメン」 扱いが悪すぎる。そしてそれ以上に忘れてた奴が居る。 「起きろよ馬鹿」 「グハッ!?」 少女の言う通りに、馬鹿の鳩尾を蹴って起こそうとする。 「鳩尾は効果ばつくんですわ……」 プルプルと鳩尾を押さえながら震える馬鹿。
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