8人が本棚に入れています
本棚に追加
ある国があった。
治世二百年ともなる大国だ。
民は皆、穏やかな顔をして平和な暮らしをしている。
戦もない。
天災も、ここ数十年とない。
理想を現実にしたような、本当に平穏な国だった。
それも、今日まで。
この理想国家は崩れようとしていた。
終わりを告げる始まりは、ある二人が発端だった。
一人はこの大国の王。
賢く、優しく、慈悲深く。
その姿は、月の光が形となったのではと噂されるほどに美しい。
非の打ち所も無い人物。
一人は王の側近。
王と同じ日に生を受けた、瓜二つの姿をした弟君。
最初のコメントを投稿しよう!