予言。

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春、私は入社した。リクルートスーツに身を包み、研修を受ける。研修後は工場勤務か営業課が大抵の新人の配属先だった。でも一応アンケートには配属希望先に広報課と書く。そうしたら本当に広報課に配属になってしまった。 「ほら。僕の言った通りでしょ」 「はい……」 本当に本当に予言したんだろうか。半信半疑の私をクスクスと笑う先輩。 「次の予想を聞きたいでしょ」 「……はい」 「きっと僕を好きになるよ」 「ええっ!」 先輩は再び笑う。からかわれて私は急に顔が熱くなった……。 本当に予言通りになるのか、気になり毎日先輩の予言した顔を思い出す。工場に出張するとつい、研究所にも顔を出す。そして私はついに先輩を好きになってしまったのだ……。 「先輩、次の予想は何ですか?」 「僕と3年後に結婚する」 「えええっ!……あ……」 クスクスと笑う先輩には一生叶いそうもない、そう思った。 (おわり) .
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