ガラス越しの彼。

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翌日。目が合った。 翌々日。目が合う。 寝癖を笑った私を気に入らないのか、やっぱり不機嫌に目を逸らす。 その翌日。私は早めに家を出た。勇気を持ってコーヒーショップのドアを開ける。 目が合う。 今日はブルーのネクタイ、雑誌、寝癖は無く。 「あのっ」 「何」 「わ、笑ってごめんなさい。あの悪意があったんじゃなくて……その……」 彼は、少し恥ずかしそうに微笑んで、隣に座りなよ、と椅子を引いた。 (おわり)
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