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修復課の1階上の階。
地下24階は資料室と小会議室、そして支部長室がある階層だ。
支部長。
それは特殊災害対策港区支部、最強の証。
その名は紫雨椿(しぐれつばき)。
24にして1つの支部を纏め上げる才女。
そして俺が最も苦手な部類に入る人種だ。
俺の前には1つの扉。
それは支部長室に繋がる扉で、何故か威圧感を感じる扉だった。
……ふぅ、扉を開けようとノブを掴む俺の手は嫌な汗で少し湿っていた。
「失礼しまーーす」
「――遅い」
閉口一番にそう言い放たれた。
支部長室は酷く寂しく、それでいて全くと言っていいほど生活感を感じない部屋だった。
修復課とは大違いだ。
いや、比べるのがそもそも変な話か。
壁を覆い尽くす大量のファイルが収められた本棚に、部屋の中央に置かれた応接用のソファーと机。
その奥にはひと目で高級と分かり、それでいて機能性に優れた木製のデスクが1つ。
そのデスクに備えられたイスに深く腰掛け、こちらを向いているのがこの港区支部の支部長、紫雨椿だった。
黒い軍服のような服を着た若い女性。
体の線はモデルのように細いが弱々しくは感じず、豹のようにしなやかさを持った筋肉で覆われている。
顔立ちは整い、スっと通った鼻筋にスッキリとした顎のライン、長いまつ毛に大きな目。
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