物語のはじまり~不思議な運命…?~

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朝いつものように飛び起きて急いで準備する。 パンをくわえて全速力で自転車をこぐ。 変わらない。 いつもと変わらない僕の朝。 いつもの信号で青になるのを待つ。 朝早いし、眠い。 これもいつも思うこと。 変わらない。 何も起こらない。 今日もか。 そんな時…。 変わった。僕の朝。 猫がいる。 いっちょまえに横断歩道…青になるのを待っている。 僕と一緒だ。思わず笑った。猫は好きだ。 毛の色は黒でガラス玉みたいな目は 驚いたことに美しい虹色の目をしていた。 こんな猫、見たことあるわけがない。 いつの間にか青になった信号を猫は急いで左右を確認してわたる。 「クロ。」 黒いからクロ。 名前なんか知らないけど飼い猫なら何か名前を呼べば 振り向くかもしれないと思いおもわず呼んでしまった。 振り向か…ない。 野良猫なのか? それにしては綺麗な毛並みだ。 そんなことを考えていたらいつの間にか信号が 赤に変わってしまった。 猫はわたって行ってしまったのに 僕はわたって…いない。 猫はもう見えない。 しかも部活を遅刻してしまう時間だ。 怒られてしまう。 走らされてしまう。 だけどそれより悲しかったのは… いつもの朝に戻ってしまったこと。 何か起こりそうだったのに…。 何か変わりそうだったのに…。 もう会えないのだろうか。
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