物語のはじまり~不思議な運命…?~

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ホームルーム開始のチャイムと同時に僕は急いで教室に入った。 椅子についたと同時に隣の席から声がした。 「部活も遅刻だったら、授業も遅刻じゃなくちゃつまらないじゃない。」 笑いながら僕に話しかけてきたのは 少し茶色がかかった髪を2つ結びにしている隣の席の 琴宮りいな。 「誰からきいたの?」 誰かは何となくわかっていたが一応聞く。 「笹野君。大声で叫んでいたよ。たぶんこのクラスのみんなが知っているんじゃない?」琴宮はくすくす笑いながら言った。 笹野流夜。 同じクラスで僕の親友で野球部。 最初の頃はよく遅刻していたが最近は遅刻もしなくなって レギュラーにもえらばれた。 「ねぇ。なんで遅刻したの?やっぱり寝坊?」 にこにこと琴宮はたずねてくる。 琴宮の茶色の目がきらきらと輝く。 …この子になら話してもいいかもしれない。不思議な猫のこと。 「先生には遅刻って言ったけど猫がいたんだ。」 「猫?」 僕はうなずく。 「うん。信号を僕と一緒に…」 「月本!琴宮!話をきけ!」 担任が怒鳴った。 「月本。」 「はい。」 「遅刻のこと…顧問からきいた。お前は実力がある。努力をしているのも知っている。  みんな期待している。しっかりしてくれ。」 期待か… 僕はそういうのが嫌なのかもしれない。 不安…焦り…そして期待… そういう日常が。 今まで笑っていた生徒も静かになり教室がしーんとした。 静かさが続いた後チャイムがなりホームルームが終わる。 するとにぎやかな教室に戻った。 「潤。本当に寝坊で遅刻したの?」 笑いながら流夜がやってきた。 「…レギュラーなのに遅刻するなんてありえない…」 あきれたようにいいながらやってきたのは生徒会長の静川美緒。 「でもさぁ…会長。君も生徒会長なのにありえないことしてるよね。」 流夜が笑いながら言う。 「何よ。それ。」 静川は普段見せないような驚いた顔をしている。 「それは…」 「それは?」 「生徒会室に…漫画を…」 「ぎゃー!!なぜそれを…!?ちょっとこっちにきて!」 平然と言おうとした流夜をつれて教室をでて行ってしまった。
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