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???「…?」
私の名前は篠原 芽衣。
高校二年の十六歳です。
私は目覚めると見知らぬ家の玄関先に倒れていた。
家の中は闇に覆われたように暗く、明かり無しで入るのはかなり抵抗がある。
でも、外にある街灯のお陰で引き戸のから薄明るい光が家の玄関に入ってくる。
この灯りだけでも今ではありがたく感じる。
芽衣「この戸は開くのかなぁ…。」
引き戸に手を掛けると、小さな音でパチッと音がして、手を針で刺されたような痛みを感じた。
芽衣「なんなのよ…これぇ…。」
よく見ると足元にお菓子の箱のような機械があり、配線が引き戸の隙間から外へ伸びていた。
芽衣「何か工具が必要ね…。」
辺りを見回すと下駄箱の上に懐中電灯と少し錆びた電池がある。
懐中電灯の下には紙が置いてあり、紙には小さい子が書いたような字で「ひじょうよう」と書いてある。
芽衣「これ、使えるかなぁ…。」
懐中電灯を手に取るともう電池が入っているのか思ったより重い。
スイッチをオンにしたが、懐中電灯は光を出さなかった。
芽衣「電池切れか。
この電池に頼るしかなさそうね。」
懐中電灯の後ろがネジのように回して外して中の電池を抜こうとした。
芽衣「イヤーーッ!!」
中から出てきたのは電池ではなく黒いネズミの死体が入っていて、蛆がわいていた。
思わず懐中電灯を玄関の床に叩きつけてしまった。
芽衣「誰がこんな事を…。」
芽衣しばらく懐中電灯を見つめていたが、意を決して再び懐中電灯を拾い上げ、電池を入れる口を下にして何度も床に打ちつけた。
芽衣「これだけやっとけば虫も入ってないよね…。」
電池を入れる口を覗いて蛆がいないことを確認し、震える手で単1電池を二本入れ蓋を閉める。
スイッチを入れると懐中電灯は問題なく使えた。
芽衣「あぁ…びっくりした。」
引き戸に背を向け、反対側の方に懐中電灯の光を向けた。
光を向けた先は長め廊下になっていて、すぐ近くには二階に上がる階段がある。
階段をあがらずに少し進むと左にふすまがあり、問題なく開いた。
部屋は9畳くらいの広さがあり真ん中に背中を合わせて外側を向く4つのタンスと部屋の奥には机がある。
机は昔に作られたような古いものだ。
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