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机の上にはスタンドライトがおいてあるが電球が割れていて使えそうにない。
引き出しを開けると、一枚の紙と花柄の鉛筆が入っていた。
紙には
「1978ねん4がつ15ちに
きょうは、おにいちゃんとかくれんぼをした。
おにいちゃんはだいどころのテーぶルのしたにいたけど、おにいちゃんはまけるのがいやだからみなかったことにした。
せんせいから:おにいちゃんとのかくれんぼはたのしかったかい?
ひなたちゃんはおにいちゃんにやさしいね。
100てん」
と書かれていた。
全部ひらがなで書かれているため小学校一年生位だと思われる。
芽衣「もしかして玄関の紙はひなたちゃんが書いたのかもしれない…
そして1978年て事は今から34年前かぁ…。
この家もかなり古いから頷ける話だね。」
紙の裏には大きさ様々な数字がびっしり書かれていた。
その中で4だけは赤鉛筆で書かれていた。
芽衣「数字を書く練習でもしてたのかな?
4が好きだったのかも。
何かに使えるかもしれないし持って行こー。」
日記1を鞄にいれた。
芽衣「この部屋で目立つとこはなさそうね。
…ん?何あれ?掛け軸?」
掛け軸は壁ではなくなぜか天井にセロハンテープで無理やり張られていた。
掛け軸には見事な山が描かれている。
芽衣「あの掛け軸の裏に何かありそうだけど全然天井に手が届きそうにないなぁ…
真ん中のタンス…置き方が不気味でいじってなかったけど動かして登れば届きそう。」
芽衣はタンスに手を掛けて力いっぱい前に押した。
芽衣「そぉーれっ!…ふんっ!…このぉ!
はぁ…はぁ…はぁ…何これ全然動かない…。
中に何が入ってるの?」
タンスの引き出しを開こうとしたが、これも全く開かない。
よく見ると全ての引き出しに雑に塗られた接着剤が石のように固まっている。
他のタンスも同じように接着剤が塗られていた。
芽衣「ひどいいたずらね。
開ける人が困るじゃない。
仕方ないわ違う部屋に行きましょ。」
ふすまを開けて部屋をでることにした。
ふすまに手を掛けた時だった。
???「フフ…アハハハハ…」
芽衣「な…何今の!?…怖いよぉ…!?」
ささやくような声で少女が笑っているような気がした。
芽衣「もうこの部屋には居たくないよ…。」
芽衣は足早に和室をあとにした。
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