好きしか知らない

出会い

「…泣き止んだな」

あたしの目元を親指の腹が優しく撫でてく。

緩く上がった口元にドキドキする。

「……え？」

そう言えば目が腫れぼったくて開けにくい。

間抜けに問い返してからあたしは動きを止める。

（あれ、あたし昨日…）

この人にベッドに押し倒されて。

泣いちゃって。

抱き締められて、安心してずっと泣いてた気がす、る。