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目を醒ますと私は白い部屋に居た。
どうやら病院のようだ。
ぼうっとしていると扉を叩く音が聞こえた。
「入って良いかい?」
医者かと思い許可を出した。
そしたら私の命の恩人だった。
「調子はどうだい?」
「はい。何とか命だけは助かりました。
ありがとうございます。
助けてくれた貴方は一体どこのどなたでしょうか?」
「私は藤旋軍で一応元帥をしている者だ。」
藤旋軍…最近出来た傭兵団と聞いている。
独自の技術も開発していて急激に力を伸ばしているところだ。
だけどどうして助けてくれたんだろう?
あの裁判は全国放送だから僕が死刑囚というのは知っている筈だ。
死刑囚を助けても得どころか損ばかりの筈なのに…。
「何故、僕(当時の一人称)を助けてくれたんですか?
僕は死刑囚ですよ。」
「…あの裁判は納得出来る物じゃないからね。
普通は上官が一切の責任をとる物だ。
だが、謹慎刑すらない。
あれは不当裁判だ。
安心してくれ。
藤旋軍はお前の味方だ。」
好きな人にも裏切られ、人を信じられなくなった。
だけどこの人なら心が開ける。
そう感じたら心を張り詰めていた糸が切れ涙が溢れ出た。
私は決めた。
この人に生涯の忠誠を誓おう。
七ヶ月後、傷の癒えた新太は藤旋軍に入った。
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