『 うら若き夜の蝶 』

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「お嬢ちゃん。どこの子?」 小さくなって大粒の涙を流し、疲れて眠ってしまっていた私を起こした声は、酷く優しい声色だった。 地面に顔を擦り寄せて、血まみれの左目から零れ落ちた血を鏡にし、それを映しては泣いたあの日。 私は、 とある遊女に拾われた。 →
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