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「よかったら付き合ってくれないかな?」
放課後の誰もいない図書室。
西日でほのかにオレンジ色に染まっている。
気持ちを伝えようと決意したものの、なかなかいい出せずに無言だったわたしがやっと紡いだ彼への想い。
どんな表情をしているのかは怖くて見れなかった。
ただ、ただ彼の上履きに書かれた名前を見つめて返事を待った。
彼が返事を発するまでの数秒、私には数分にも感じられた。
ふられるものだと決めつけていた私は返事を聞くのが怖くていっそ時が止まればいいのにと願った。
その反面あぁ終わるんだな…と安堵している私もいた。
もう起こるはずのない奇跡を期待せずにすむのだと。
すっきり諦めることができるのだと。
だが返ってきたのはわたしが予想もしていなかった言葉だった。
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