204人が本棚に入れています
本棚に追加
/290ページ
「やっぱり…」
セシルはふふっと笑った。
「何が可笑しい?」
「いえ、嬉しくて…」
クラウスはいぶかるように首をかしげ、握られた手を自分の方へ引っ込めた。
「コロコロ顔が変わる…。お前は百面相だな」
そう言うクラウスの口元も笑っている。
青く、高い夏の空をセシルは見上げた。
小さな雲が2つ寄り添うように浮かんでいる…。
まるでリチャードとジークのようだと思ったが、自分達のようだとも思えた。
最初のコメントを投稿しよう!