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「だから行かなくていいって言ったでしょ?私の言うこと聞かなかったあんたが悪い。分かった?」
「…はい。」
あれだけキャーキャー言われていた王子が形無しだ。まるで叱られている子供のような状況に、友達は思わずブフッと噴き出した。
「アハハ!ひっどい顔!!もー、何でこんな中身がヘタレでモテるのか本当に不思議だわ。顔だけかっこいいってのも考えものよねー?」
「ちょ…美冬!」
王子が反論しようとしたが、周りにいる人たちの目線が集まり始めているのを察してグッと堪えた。
「ふふ、王子は大変ねー?」
そう言って友達は王子の手をぐいっと引っ張る。
「柳のとこに行きましょ、気になるんでしょう?」
「…うん。」
王子は心の中で敵わないと呟くも、悔しいので口には出さなかった。
王子たちが保健室に向かう中、宝城星バレー部員と隣町のバレー部員は片付けをしながら会話していた。
「王子もかっこいいけど、うちらは断然キャプテン派!言い方がキツイときもあるけど、頼りになるし、仲間想いだし、プレーしてるときのイキイキした表情とかスッゴク素敵なんだから!!」
「ふーん、まあ…確かにさっきのはかっこよかったわ。でも王子もあの顔で威張ったりしないし、優しいし、笑顔がめっちゃキラキラしてるし!!いいなー宝城星はかっこいい人多くて!!」
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