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「余計なお世話だ!」
突然大声を上げる愛姫に、美冬も柳も驚いた表情で見つめる。
「何!?どうしたの!?」
「変なもの食べた!?」
「…いや、なんかバカにされた気がして…。」
勘だけはいいようだ。
「そいじゃあたしは体育館に寄ってから一度家に帰って着替えてくるから、いつものマッキーのとこで待ってて。」
そう言って柳はパタパタと行ってしまった。マッキーとは大通りの入り口にあるファーストフードのお店で、三人が集まるときの集合場所になっている。柳の後ろ姿を見送ったあと、愛姫は美冬を見つめて苦い顔をした。
「…本当にヤナちゃんを連れていくの?別に楽しいことなんてないよ?」
今日はこのあと三人である場所に行くことになっている。愛姫が春頃からバイトしている喫茶店だ。どうやら愛姫は柳と一緒に行くのに抵抗があるらしい。
「何言ってるのよ、今さら。あんたがバイト始めた頃から柳も行きたいってずっと言ってたじゃない。部活忙しかったから今まで無理だったけど、ようやくあの子も時間がとれるようになったのよ?今行かなくていつ行くの?」
「それは…そうかもだけど。」
「それにあんたがバイトしてヘマしてるところを見に行く、これが楽しくないわけないじゃない!」
本音が出た。
「美冬―――!?」
愛姫はショックで思わず下駄箱から取り出した靴を落としてしまった。
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