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二人のやりとりに聞き耳を立てていた相手チームはまたザワザワし始める。
「何なの、宝城星のキャプテン!!王子にあんな態度するなんて!!」
「しかもアキちんって何!?王子にどういうアダ名つけてるのよ、信じらんない!!」
すると今度はそれを聞いた宝城星のチームが黙っていない。
「ちょっと、聞こえてるよ!?うちのキャプテンの文句はやめてくれない!?あの二人はただの友達なんだから、勝手に変な言いがかりつけないでよ!!」
「何ですって!?」
まさに一触即発。互いのチームの間にはバリバリと音を立てるようなにらみ合いが行われている。それに気がついて王子はアワアワと動揺しだした。
「え!?あの、どどどどうしようヤナちゃん!?」
「もー、だから言わんこっちゃない!」
王子をキッと睨んだあと、キャプテンは溜め息をついた。
そのときだ。ガシャーンッと大きな音が体育館の中に響き渡った。音のした方を見ると、一人の相手チームの女子が尻餅をついたまま踞っている。
「どうしたの!?大丈夫!?」
すぐさま相手のキャプテンが駆け寄るが、その女子は青い顔をしているのがはっきり分かった。王子や宝城星のキャプテンも急いで駆けつける。
「わ、真っ青じゃん!?具合悪いの?」
「そうなの、この子今日はちょっと貧血気味だったからずっと休んでてもらってたんだけど…。」
辺りにボールが散らばっている。どうやら片付けを手伝おうとしていたらしいが、途中で具合が更に悪くなったらしい。
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