トーナメント

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………。 「無言は肯定と捕らえましょう。このペンダントは初級12発、中級3発、上級1発で壊れます。今中級を擦らせたのでだいたい初級1発分。 ……もう、分かりますよね?」 ……分かっている。 ……逃げても追いつかれる。 ……3位はまだまだ後ろ。 ……やらなきゃ…ダメ…。 「さぁ、楽しみましょう」 そう言葉を放つと羽宮は白の初級魔法である“ホーリーレイ”を撃った。 羽宮の手から放たれる多くの光線。夢庵は羽宮の手のひらの向きに集中しギリギリで避けていく。 「これは避けますか。 早さをあげますよ?」 するとさっきと同じ魔法ではあるが光線が細く、より早く夢庵を襲った。 身体強化を使い避けようとしたが早い光線と遅い光線を使い分けながら攻撃してくる羽宮の攻撃に夢庵は何発か魔法を食らってしまった。 そんな一方的な戦いが3分間続いた。 《さすがは上条チームの羽宮選手だ!魔力の質を上手くコントロールして強弱を操作してるな。対する東雲選手も身体強化を使い躱してはいるがそろそろペンダントも終わりだぞ!?》 「痛みがないから分からないでしょうが…、あと初級魔法3発ほどで動けなくなりますよ?」 ハァ………ハァ…。 ………強い。 ……このままじゃ…負ける? 「慈愛の光よ…。魔を滅ぼす光となりて…打ち砕いて……」 夢庵は魔法を避けながらも詠唱を紡ぐ。修行中に覚えた2つの魔法のうちの1つ。 ……こんな早くに………使うなんて……思わなかったけど。 負けたくはない! 「滅せよ魔。落ちる戒めの光。 『ホワイトブレス』」 天からの一撃。 天空の龍が地上に向けて炎を吐いたかのような強力な一撃。 辺りは砂が舞い上がり周りが見えなくなっている。
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