悪夢の凶報

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 ただひとつ、血まみれのみなものカバンと思われるものの中には、携帯電話が入っていた。    ボタンが数個しかついておらずほぼ全てを画面にタッチすることで操作する携帯電話。いわゆるスマートフォンというやつだ。仕組みはよく知らないが、みなもはつい先日この携帯電話を購入し、エラくはしゃいでいたのを覚えている。  「妹の携帯電話……かもしれないので、中身確認してもいいですか?」  俺は警察の人に許可を貰い確認のためその携帯電話の電源をつける。この物体自身は事故によりあらゆるところが潰れてしまっているのに、この携帯電話は傷一つついてない上に起動も問題なく行える。  俺は歯軋りをしながら携帯電話の起動を待つ。    携帯電話のメーカー名が表示され、その後ホーム画面に遷移するはずの画面が赤く染まった。  『GAME OVER   シナリオ666   永久の帰還』  白字で書かれたその文字は数秒映されたかと思えば、直ぐに消えた。
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