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「涼ちゃん、新しい方の人形使っていいよ」
ケーキを食べ終えると、私たちは人形ごっこを始めた。
えっちゃんが買ってもらったばかりの人形を渡してくれる。
「私が使ってもいいの?」
「いいよぉ。私、いっつも遊べるもん」
「ありがと、えっちゃん」
えっちゃんが私のお姉ちゃんだったらいいのに。
私はいつもそう思う。
お兄ちゃんたちは、自分たちだけでボール遊びや対戦ゲームをしていて、私は仲間に入れてもらえない。
「涼華はすぐに負けるし、すぐ泣くじゃん」
と断られるのだ。
えっちゃんはそんな意地悪はしない。
それに女の子同士だから、一緒に人形ごっこも指編みもビーズでアクセサリーを作ることもできる。
時間もあっという間にたってしまう。
「えっちゃん、明日また遊びに来ていい?」
夕食の時間が来て仕方なく帰る時、私は玄関でえっちゃんに聞いた。
「当たり前だよ。絶対来て!」
えっちゃんは笑顔で、手にした人形の手をバイバイと振ってくれた。
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