大好きなお姉さん

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掃除の時間が終わると、私は一目散に家を目指した。 雨が少し降っていたけど、傘を差す時間ももったいない。 公園や、お店がほとんど開いていない市場、最近建った新しいマンションの前を一気に走り抜ける。 寒くなってきたから吐く息が白い。 それが面白くて、私はわざとハアハア息を吐きながら、学校を出て数分後には団地の敷地に走りこんだ。 私の住んでいる団地はとても古くて、五階建てなのにエレベータがない。 私は団地の階段を三階まで一段飛ばしで上がった。 背中でランドセルが跳ねて、中で筆箱がガッチャガッチャと賑やかな音を立てている。 「ただいま!」 ドアを開けるなり、私はランドセルを背中から滑り落として外に飛び出そうとした。 「涼華!ちょっと待ちなさい!」 お母さんの声が飛んできて、私は仕方なく振り返る。 「ランドセル、ちゃんと部屋に片付けなさい。 お兄ちゃんたちが帰って来た時に邪魔になるでしょ。もう四年生なんだからちゃんとしなきゃ。」 色褪せたエプロンで手を拭きながら、お母さんが言う。 「えっちゃんと約束してるんだよ。 学校から帰ったらすぐに行くって」
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