プロローグ『転校生アクアス』

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 ただ今の時刻、朝の5時。私、『神崎 瑠亜』の1日はここから始まる 「いってきまーす」  一緒に住んでいる『師匠』はまだ寝ているので、小さな声で家をでた 「んっんっ」  軽く準備体操を終え、私はいつものコースを走りだした。これが私の朝の日課である  犬の散歩をしている人、私と同じく走っている人、それぞれに朝の挨拶をする 「おはようごさいまーす」  私が挨拶をすると皆、挨拶を返してくれる  毎朝のことだか良い人たちだ 「ん?」  見慣れない人を見つけた。私は毎朝走っているが見たことない人だ 「おはようごさいまーす」  まぁ、そんなの関係なく挨拶はするんだけどね 「ん?あ、おはようごさいまっす!」  青い髪に青い眼をした彼女はちゃんと挨拶を返してきた。どうやら悪い人ではなさそうだ(この程度で良い悪いを決めるのもアレだが) 「見ない顔ですね。今日から走り始めたのですか?」  初対面の人には礼儀正しく。これ基本なり 「ん~、まぁ、そうだね。こっちでは初めて」 「こっちでは?」 「うん。ボク、昨日こっちに引っ越してきたばかりなんだよ。引っ越す前もよく走ってたんだ」  ちなみに私たちは走りながら喋ってます 「あ、そうそうボクね今日、高校に転校する予定なんだ!」  ほう、高校生か 「それにしても驚いたな~」 「ん?なにが?」 「君みたいな小さい子も早朝から走ってるなんてさ」 「な!?」  こ、こいつさっきから話し方がやたら優しい(もとからかもしれんが)と思ったら年下にみられていたのかっ……! 「私はこうみえて16だ!高校1年生だっ!」 「にょわ!?同い年!じゃあ仲良くしようね!」  この女、悪びれもせず満面の笑みを浮かべやがった! 「あ、そろそろ戻らなきゃ。じゃあね、縁があったらまた会おうね」 「え、あ、うん」  そう言って彼女は行ってしまった  それにしても 「私のペースについてくるとは……名前くらい聞いとけばよかったか」  まぁ、今は取り合えず帰ってシャワー浴びて朝ごはん作って師匠起こして朝ごはん食べて学校へ行かねば 「ふぅ……」  我ながらすばらしい説明口調だ
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